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2025/02/18 11:18

農林水産省のデータによれば、2015年から20222年の間で人口減少や米離れなどが原因で、主食用米の需要量が年平均11万t減少していました。
また、2020年以降はコロナウイルス感染症を受けて、外食需要が激減したことによってさらに需要量が減少しています。
ところが2023年から2024年にかけてはインバウンドの回復による外食産業の需要増加を受けて需要量は2010年以降ではじめて増加しています。
◆2024年に起きた米不足の原因と背景とは?
2024年「米が品薄で価格が高騰している」ニュースが全国的に報じられました。店舗から米が消え、消費者からは「買い占めが起きている」インバウンド需要が影響しているなどの声が上がっています。
実際、米不足の要因は多数ありますが今回は影響が大きいと思われる2つの原因を取り上げます。
原因1 気候変動による生産量・品質の低下
大きな影響を与えた要因の一つが2023年の記録的な猛暑です。水稲の穂が出る時期に高温が続いたため、「胴割れ」などが増加。これにより米の品質を測る「一等米比率」が大幅に低下しました。
また、カメムシによる被害も増えています。カメムシ類による被害に遭うと、黒色または茶色の斑点ができた「斑点米」が生じます。カメムシの発生は地域差はありますが、2023年から増加しています。
原因2 減反政策の影響
1970年代から続く減反政策(生産調整)です。元来は米の過剰生産による価格下落を防ぐための政策ですが、長期的に継続した結果、需要のバランスの歪みが発生しています。
減反政策は2018年に廃止されていますが、実際には米の作付けを抑制するための補助金は依然として存在し、米農家の数も減少していることから、今後も米の生産量は減少していくと予想されます。
わずかな需要増加や天候不良など予測外の事態が起きれば、すぐに米価が上昇する構造が続いていますが、大幅な政策転換は容易ではなく、今後も米不足と米価格の上昇が起こる可能性は高いと考えられます。
米不足を起こさない! 米農家ができること

今後、米不足を起こさないために米農家として何ができるか、現在全国で行われている取り組みについて事例を紹介します。
多品種栽培による「作期分散」で大規模化とコストダウンを実現
水稲作付農家数が減少する中で、安全的な米生産量確保のために農家一戸当たりの生産量を増やす取り組みが重要になります。
茨城県の事例では、あきたこまちやコシヒカリなどの多品種と乾田直播などを組み合わせることで、定植や直播の期間を約50日間まで延長しています。
データを活用した適期判断で、異常気象の影響を減らす
AIを活用することで、異常気象でも減収リスクを抑えることが期待できます。
ドイツの大手化学メーカーBASFが開発した栽培管理システム「ザルビオ」なら地域・品種・気候などの様々な情報をAIが解析してリアルタイムで水稲の育成ステージを予想します。
膨大に蓄積されたデータをAIが解析しているため、異常気象の中でも作業適期を把握することができます。